糸島農業研修

7/16、佐護の農家有志、佐護農地・水・環境保全活動隊メンバー、対馬市上県地域活性化センター、対馬野生生物保護センター、愛植物設計事務所(コンサルタント)のスタッフ計8名で、宇根豊さん(佐護の環境配慮型農業へのチャレンジにアドバイスをいただいている方)の本拠地・福岡県糸島を訪ねました。

この日は、「環境稲作研究会」というグループの生き物調査日。この研究会では、「百姓の目で田んぼの生き物をどう評価するか」という課題に取り組むため、田んぼの豊かさや農薬使用の基準となる「指標生物」(カエルやクモ、トンボ、害虫)を月1回のペースで18カ所もの試験田で生き物調査をされています。

今回、その生き物調査に合わせて研修をさせていただいたわけですが、朝7時に集合し、お昼までみっちり田んぼの生き物調査をいっしょにさせていただきました。調査に参加されていたメンバーのほとんどは地元の農家さんやJAの職員さんで、「こんな毎月長時間、生き物調査して、よく飽きないな、続けられるな」と疑問に思ってしまいました。表情を見る限り、みなさん楽しそうで、後でお話をうかがったら、「田んぼの生き物を見ると安らぐね」と。

でも、生き物調査に取り組まれた最初の頃は、動機は「不純」だったそうで、いかに面倒な農薬散布の作業を省くか、農薬代を浮かせるかという考え方があったそうです。しかし、生き物調査をする中で、いつの間にか、生き物を愛しむ心が芽生えてきたと言います。「人間は、多くの生き物とともに暮らしてきて、本能的に生き物が好きなんだ」ともおっしゃっていました。

糸島の農家のみなさんは、しっかりとご自分の田んぼを調査して観察することで、完全無農薬で稲作に取り組まれてます。約2000町のうち400町ほどでが無農薬で、佐護平野は約80町ですから、すごい広さですね。

しかも、その取り組みは最近のことではなく20年も前からで、はじめの頃は農薬を使わないことで害虫にやられてしまうのではないかという恐怖心や、「農薬を使わなかったら、自分の田んぼに害虫がくるし、周りの農家に迷惑をかけてしまう」という親世代との戦いがあったそうです。

「最初の1歩は勇気がいった。まずは1枚の無農薬の試験田を設けてみて、害虫に食われてみようという気持ちが大事」「やってみせれば親も周りも納得する」「それぞれの田んぼに見合った稲作を研究し、お米に物語を持たせれば、いくらでも売れる」というアドバイスをいただきました。

糸島の農家さんは、米だけでなく、キャベツやムギ、小麦の栽培、市民農園、直売、酒米・赤米づくりなど、様々なことにチャレンジされていて、農業に誇りと楽しみをもたれていました。参加した対馬側のメンバーは大きな刺激を受けた様子でした。
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田んぼの生き物調査の本家本元の様子。写真真ん中手前は宇根豊さん。「虫見版」という道具を使いながら、苗にいる害虫や益虫、ただの虫を調べる。その調査のスピードに圧倒されてしまいました。みなさん慣れたもので、地元の学校に出張して、子供たちに指導しているそうです。いやー、ナチュラリストの農家って、かっこいいな。
by sagoku_tsushima | 2009-07-18 03:51 | 佐護の農業

国境の島・対馬の最西北端に位置する対馬市上県町佐護区。佐護の魅力や佐護を盛り上げるための活動・イベント情報をお届けします。


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